図資-3不燃領域率と焼失率の関係101不燃領域率と市街地の延焼性状との関係は以下のとおりです。不燃領域率が30%程度の市街地では、延焼による焼失率は80%を超えています。一方、不燃領域率が40%以上の水準に達すると、市街地の焼失率は急激に低下し、20~25%程度にとどまるようになります。不燃領域率が40%以上の水準に達すると、市街地の延焼が緩やかなものとなり、市街地大火への拡大抑制、避難時間の確保及び消火活動などの有効な展開が図られ、災害時の基礎的安全性が確保されると考えられます。また、不燃領域率が60%以上に達すると、延焼による焼失率は0%に近づき、延焼が抑制されると考えられ、70%を超えると延焼による焼失率はほぼゼロとなります。本計画では、市街地の延焼性状を評価する一つの指標として、不燃領域率を用いています。不燃領域率の算定方法は、建設省(現国土交通省)総合技術開発プロジェクト都市防火対策手法を基に、小規模空地や準耐火建築物に対する東京都としての検討結果を加味しています。不燃領域率=空地率+(1-空地率/100)×不燃化率(%)空地率:{(S+R)/T}×100(%)S:短辺又は直径10m以上で、かつ、面積が100㎡以上の水面、鉄道敷、公園、運動場、学校、一団地の施設などの面積R:幅員6m以上の道路面積T:対象市街地面積不燃化率:(B/A)×100(%)B:耐火建築物等建築面積+準耐火建築物等建築面積×0.8A:全建築物建築面積不燃領域率は、空地率と不燃化率との二つの指標によって構成されます。一定以上の広さの空地と道路とが多く、耐火建築物や準耐火建築物の燃えにくい建築物の割合が増すと、市街地が延焼しにくくなるということを示しています。耐火建築物等:建築基準法第53条第3項第1号イに規定する耐火建築物等をいう準耐火建築物等:建築基準法第53条第3項第1号ロに規定する準耐火建築物等をいう図は、原出典(建設省総合技術開発プロジェクト報告書昭和58年)の図に阪神・淡路大震災の例を参考として加えたものです。図の2本の実曲線は関東大震災規模の地震想定で4種類の地盤条件による想定出火率ρのうち、地盤条件の最も良い場合と悪い場合の出火率を用いたシミュレーション結果です。出典:木造住宅密集地域整備プログラム(1997(平成9)年東京都)資料不燃領域率について3
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