防災都市づくり推進計画基本方針
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(2)木造住宅密集地域等を取り巻く現状「木造住宅密集地域18」は、戦後の経済復興期から高度経済成長期において東京へ人口や産業が集中する中、都市基盤施設が十分整備されないまま、市街化及び高密化が進行したことにより、JR山手線外周部を中心に広範に□成されました。これらの地域の建築物は更新時期を迎えていますが、狭あい道路や行き止まり道路、狭小敷地や無接道敷地が多いこと、権利関係が複雑なこと等によって、建替えが進みにくい状況にあります。また、近年、一部の地域では人口減少や高齢化の進行、建替え意欲の減退等による空き家の増加や老朽木造建築物の更新の遅れも課題となっています。こうした地域の中には、住宅戸数密度が引き続き高い地域もあり、地震時の被害が懸念されます。さらに、多摩地域や区部西部を中心に、「農地を有し、防災性の維持・向上を図るべき地域19」が存在します。2022(令和4)年に生産緑地20の多くが都市計画決定から30年が経過し、農地等として管理すべき義務が解除されました。特定生産緑地21の指定により保全が継続される農地がある一方で、相続等により転用される可能性も残されており、無秩序に宅地化されると、住宅戸数密度の増加や不燃領域率の低下を招く場合もあります。18 木造住宅密集地域:P.22参照19 農地を有し、防災性の維持・向上を図るべき地域:P.32参照20 生産緑地:生産緑地法(昭和49年法律第68号)に基づき、都市農地の計画的な保全を図るため、市街化区域内の農地で、良好な生活環境の確保に効用があり、公共施設等の敷地として適している農地を都市計画に定めたもの。建築行為等を許可制により規制する。市街化区域農地は宅地と同等の課税がされるのに対し、生産緑地は軽減措置が講じられている。21 特定生産緑地:生産緑地の指定告示から30年経過する日までに、生産緑地の所有者等の意向を基に、区市町村が特定生産緑地に指定することで、買取りの申出が可能となる期日が10年延期されるとともに、生産緑地で適用を受けていた税制優遇等の措置が継続される。道路が未整備のまま木造建築物が密集昭和50年代の老朽木造住宅が存在図1-2木造住宅密集地域内の状況12第1章防災都市づくりの考え方東京における防災上の課題1

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