2024(令和6)年1月に発生した能登半島地震(マグニチュード7.6、最大震度7)では、石川県輪島市の朝市通り周辺の木造密集地域で火災が発生し約4万9千㎡が焼失、約240棟が焼損しました。密集市街地が広範囲に連坦する東京においては、更なる大規模市街地火災の発生が危惧されます。「輪島市大規模火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会報告書」(2024(令和6)年7月)では、「今回の木造密集地域での火災は、2016(平成28)年12月に発生した新潟県糸魚川市での火災以来の大規模なものとなり、強風下でない場合においても、地震・津波災害発生時には、住民等が避難を要することにより、火災の発見が遅れ、初期段階で消火できないと大火に発展する危険性のあることが改めて示された。」としており、このほか、倒壊した建物が延焼拡大の要因になった可能性があること、水道管の断水により消火栓が使用できなかったこと、地盤の隆起により河川の水位が低下し、河川の一部地域で取水ができなかったこと、大津波警報等の発表により海岸からの取水が当分の間、困難であったこと等が報告されています。また、今後の対応策について、まちづくりにおいては、「都市構造の不燃化や密集市街地の整備改善及び住民等の地域防災力の向上に資するソフト対策の引き続きの推進」、「老朽木造家屋や避難・消防活動上重要な沿道の建築物等の耐震化の促進」が提言されています。出典:「空中写真等の画像判読による輪島市中心の火災焼失範囲(推定)」(2024(令和6)年1月2日国土地理院撮影)出典:「令和6年能登半島地震に伴い石川県輪島市で発生した大規模市街地火災に係る消防庁長官の火災原因調査報告書」(2024(令和6)年5月総務省消防庁)を基に一部加筆1-17<火災後>19<火災前>市街地の状況と防火水槽輪島市火災焼失範囲火災焼失範囲防災トピック③第1章石川県輪島市における市街地火災の状況
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