現在緑地を残す取り組みへ2000年頃利用許諾協定管理・運営委託管理・運営利用許諾協定導入・固定資産税が免除される・公共緑地とする義務を負う・緑地の維持管理は委託可能5~10年公共緑地として管理(協定終了後の活用は自由)土地の所有者暫定緑地(民有地)2015年頃空き家減少新規の協定導入終了安全で良質な市街地整備には、公有地だけでなく、民有地や関係機関所有地を活用した空地等の整備が期待されます(P.70)。海外における空地活用の事例として、ドイツ・ライプツィヒ市での利用□諾協定による緑地整備を紹介します。同市では、急激な人口減少で増加した空き家・空地対策のため、2000年頃より、利用□諾協定という独自のプログラムが導入されました。これは、公益的な緑地とすることを条件に、市が土地所有者と協定を結び、老朽建築物の除却と空地整備を進めるものです。土地所有者は、暫定緑地とする期間(5~10年)は固定資産税が免除され、緑地とするための老朽建築物除却費、整地費の負担はありません。ドイツではまちづくりの機運が高く、市民団体へ向けた積極的な制度周知も功を奏し、短期間に260か所以上の暫定緑地が整備されました。一方、協定期間終了後の土地活用は、所有者が自由に設定できるため、その後、多くの暫定緑地では住宅開発等が進みます。しかし、リンデナウ地区の「近所の庭」に代表されるような、「地域住民が緑地運営に参加するケース」では、現在も公共緑地としての利用が続いています。継続的な民有地活用には、制度による土地所有者側のメリットだけでなく、地域住民が緑地の運営に積極的に関わることが非常に重要であり、これが土地所有者の理解を得ることにもつながっていると言えます。東京都においても、地域住民と連携しながら、民有地活用による空地整備を進め、防災性の向上を図ることが重要です。1990年代深刻な人口減少・都市の荒廃協定スキームライプツィヒ市・老朽建築物除却費の負担・空地整備費の負担制度周知・手続き支援緑地の管理者(市民団体等)【近所の庭】複数の土地所有者が持つ土地。子供の遊び場を求める地域住民が、土地所有者と市へ働きかけ、協定による緑地整備につながる。現在も、50世帯ほどの住民が運営に参加している。85防災トピック⑧第1章海外における空地活用の事例(ドイツ・ライプツィヒ市における利用許諾協定)
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